国立名門大学医学部卒の精神科医に邪魔された話

大学受験1浪でどこにも受からず、2浪することになったとき、

今のところではとても生きていけないので、離れた予備校を受けて

自分で下宿を申し込んだのだが、担当を離れた最初の主治医が母親に

「そんなのできるわけがない」などといったので、そのまま立ち消えに。

その医師は国立名門大の理学部を出て、予備校講師をして、

他の国立名門大学の医学部に入って、医師になったとのこと。

そのため学校や受験のこと以外は知らずに来たのだろう。

その人の苦労と言えば、勉強をするとか、部活のボート部がきつかった位らしい。

そもそも学校どころではない家庭があるなど想像もできないため、

こちらの話を学校や受験の話としかとらえられないのに、

自分は高学歴で高度な教育を受けた、との自負から、

自分の知らないことを想像もできずに、知ってる範囲にあてはめて、

対応していたのだろう。

学校の勉強ができるという自信から来る、知らない事柄に対する謙虚さの欠如が

大きな原因だろう。

医学のみではなく、様々な分野で、そのような悪影響があるのだろう。

高学歴モンスター: 一流大学卒の迷惑な人たち:片田珠美

 

 

パニック障害だった頃の話2

街中の地下鉄の駅で電車に乗っていられなくなり、

降りて改札を出て喫茶店で休憩。

小銭しかもっていなかったので、電話で母親に家にお金を置いておくか、

持ってくるかを頼んだ。

その駅まで母親は来たのだが、

とりあえず中に入れてしまえば乗るだろうと考えたのか、

改札越しに手招きしたので横の柵の所で話すと、気にせずに電車に乗るようにと

言ってきた。

なんとか外に出てもらって、タクシーに乗ると、すかさず運転手さんに

数百円運賃が安くなるコースを指示した。

常にいつも第一に、お金をけちる事を最初に考える人だった。

 

 

パニック障害だった頃の話

実家から何駅かのところで、電車に乗っていられずに降りて、

電話で母親にタクシーの手配を頼んで、30分位して電話をしたら、

週末で空きのタクシーが無いと言われたとのことで、

2月の夜を、3時間くらいかけて徒歩で帰宅した。

歩いたことも無く、道も知らないところだったので、

結構大変だった。

何か月かしてから母親にそのことを言うと

「いい運動になってよかったじゃない」とかるく言われた。

自分の子供に何の責任感も関心も持っていないのだと判り、

ゾーとした。

自閉症の哲学  構想力と自閉症からみた「私」の成立 : 相川翼著

自閉症と定型発達がどのように分かれて行くかを、これまでの研究を

第一章でまとめたうえで、カントの構想力、つまりイメージ形成能力を

中心にし、フロイトラカンも取り上げて考察していく。

自閉症がどのようなところでつまずき、定型発達に向かわないかを、

解り易く考察していく。

実際に自閉症ダウン症の人に接して、どのような特性を持つかを

知っているので、フロイトラカンなども解り易く引用されている。

哲学というタイトルながらも臨床家に役立ちそうな一冊。

THIS IS JAPAN――英国保育士が見た日本 :ブレイディみかこ著

歴史的にみると、近代化に伴い、賃労働として労働を提供して、

対価を受け取る、というのが広まったのだが、ヨーロッパのように

宗教や思想の裏付けがなく、植民地にされないため、豊かな欧米に追いつくために、

労働形態として取り入れ、ある程度までうまくいって追いついたために、

経済が停滞しても、それ以外を思いつかず、ひたすらそれまでのやり方を

強めるのみで、社会の在り方、働き方を再構築することを考えられないので、

今の在り方に異を唱える人を、周囲がバッシングするのだろう。

何らかの賃労働をしている人は、それで何とかしようと考えるので、

それと違うことを言われると、これまでの自分の努力について

考え直さなければいけないので、反射的に反発して、それまでのやり方以外は

受け入れられないのだろう。

中韓のパソコンやスマホの重要なパーツや製造装置は日本製、といっても

向こうにしても、高い価格で輸入しているものは自分たちで作ろうとするだろうから、

今の状態が長く続くとは、考えにくい。

「THIS IS JAPAN――英国保育士が見た日本」 :ブレイディみかこ著

中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく) :國分功一郎著

なにかと「本人が努力したから」「努力しなかったから」

あるいは「本人が決めたから」などの表現が使われるが、

何かをしたり決めたりする自己感覚、主体というのは、

そこまでの生育を支える周囲のサポートがあっての事だろう。

解りやすい例を挙げると、日本でそれなりに恵まれた家庭で育てられれば、

自分から学校の勉強をしたり、習い事に打ち込んだりということになるが、

アフリカでゲリラにさらわれた子供は、脅されて自らの手で

自分の家族などを射殺させられたりして、むやみに発砲する少年兵となる。

最近は日本でも、「地方のマイルドヤンキーは勉強しようとしない」等の

表現があるが、そもそも養育者が子供を世話をする余裕がない、

などであれば、何かを決める、何かに取り組むという主体性も育たないだろう。

「地方のマイルドヤンキー」のように周囲と集まって遊んで騒ぐほどの

社会性を持てるならばともかく、一人でゲームやネットをしている子供のほうが、

周囲に迷惑をかけないが、主体や自己感覚が未発達で、その後が困難だろう。

中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく) :國分功一郎著

「再貧困女子」鈴木大介著

著者は自身で、どう何を支援すればいいのか判らないので関りから身を引いた、

とのことだが、周囲ができそうな対策としては、児童相談所の職員を増員する、

再分配制度をしっかり作る、などの大きなところからでないと、

手をつけようがないだろう。

今のように中負担で高福祉を求めるところが無理がある。

大前研一氏が資産税について、2,3%を一律に課すのは、海外に資産を

移すなどをした場合、逆に手数料と手間が掛かって損をするので、

有効なのではないかと何かで書いていた。