THIS IS JAPAN――英国保育士が見た日本 :ブレイディみかこ著

歴史的にみると、近代化に伴い、賃労働として労働を提供して、

対価を受け取る、というのが広まったのだが、ヨーロッパのように

宗教や思想の裏付けがなく、植民地にされないため、豊かな欧米に追いつくために、

労働形態として取り入れ、ある程度までうまくいって追いついたために、

経済が停滞しても、それ以外を思いつかず、ひたすらそれまでのやり方を

強めるのみで、社会の在り方、働き方を再構築することを考えられないので、

今の在り方に異を唱える人を、周囲がバッシングするのだろう。

何らかの賃労働をしている人は、それで何とかしようと考えるので、

それと違うことを言われると、これまでの自分の努力について

考え直さなければいけないので、反射的に反発して、それまでのやり方以外は

受け入れられないのだろう。

中韓のパソコンやスマホの重要なパーツや製造装置は日本製、といっても

向こうにしても、高い価格で輸入しているものは自分たちで作ろうとするだろうから、

今の状態が長く続くとは、考えにくい。

「THIS IS JAPAN――英国保育士が見た日本」 :ブレイディみかこ著